記事一覧 随筆 音楽

"楽譜通りに演奏する"から見える"個性"

更新日:


「楽譜通りに演奏する」

この前、僕の音楽の師と話をしながら電車に乗っていた時、先生がこのようなことをおっしゃっていました。

「人間って『楽譜通りに演奏』する時が一番個性が出るよな。」

つまり、こういうことです。個性的に曲を演奏しようとすればするほど、無理な演奏を行い、結果として"自分の演奏"からは程遠いものになってしまう。しかし、楽譜通りに演奏するということは、その人が思う"普通の演奏"をするわけです。つまりそれこそがその人の本来の姿、"個性"である、というのです。

ぼくにこのような視点はなかったので、眼から鱗が落ちる思いでした。確かに、同じ楽譜でも演奏者によって全く演奏が異なってしまいます。そうでなければカヴァーアルバムなんて作っても意味無いですよね笑


"個性"ってなんだ?

しかし、楽譜通りに演奏した際に表出する個性とは、果たして"アイデンティティ"なのでしょうか。

私達のように音楽に携わる人間は"楽譜通りに演奏"して、それを先生なり先輩なりにアドヴァイスをもらって改善していくわけです。音楽の偉人と呼ばれている人々ですら(一部の天才を除き)必ずそれらなにかしらの教育を受けてきています。つまり、先人の知恵を文法として叩き込まれるわけです。

また、ラテン・雅楽など、住んでいる地域・文化で区切ることが出来る特徴も、また我々の"個性"の一部であります。

そのように考えていくと、自分自身の音楽というものは実は過去の含蓄をつぎはぎしたものにすぎないのではないか、と思えてきてしまいます。


 

考えつつ、考えない

しかし、個性的な演奏は確かに存在しています。それは、過去の経験をもとに自分の頭で咀嚼してアウトプットしているからではないでしょうか。以前の記事でラーメンズ小林さんの言葉を紹介しましたが、経験するだけでなく、その経験を自分の中で、自分の言葉で置き換えて、多角的な視点から考察することの大切さを説いています。まさに、これと同じことが音楽にも言えるのではないでしょうか。

普段から様々なことを考察しつつ、演奏時は無心に"楽譜通りに"演奏する。その時、はじめて個性的な音楽が立ち現れてくるのです。

 

「面白いじゃん」と思ったらぜひシェアをお願いします!

-記事一覧, 随筆, 音楽

Copyright© ちゃいら随筆 , 2019 All Rights Reserved Powered by STINGER.