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サークルの審査の総評で書いたこと

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僕は大学でアカペラサークルに所属している。今回新歓コンサートを開催にするにあたって一次審査(音源審査)、二次審査(実施審査)があったのだが、その際に幸運にも審査員を務めさせていただくことができた。
その際に書いた総評を折角なのでこちらでも公開しておこうと思う。
まあ公開しようと思いつつ半月経ってしまったのだが←
偉そうな記事が続くことはご容赦願いたい。

【一次審査】

皆様、お疲れ様です。今回も様々なジャンルの音楽があり、とても楽しく審査させていただきました。最初に断っておくと、今回の審査はかなり拮抗していました。どこが受かっても、どこが落ちてもおかしくない状況であったことを告白します。
 二次審査も僕が担当させていただく、ということなので、今回の総評として、二次審査までに直しうる点、かつ今後音源審査で気をつけて欲しい点に ついて"二点"述べさせていただきます。

①曲はじめ、曲終わり

 まず、声を大にして言いたいのが、「曲の出だしをないがしろにしているバンド」がとても多い。歌いだしでこけてしまっているバンドはいくら後半で持ち直してきたとしても、第一印象が悪いまま終わってしまいます。また、曲の出だし、とは歌の最初とは限りません。曲の直前にある空気、カウント。そこから既に曲が始まっています。また同様の理由から、最後の曲終わりにも細心の注意
を払うべきです。
 音源審査においては「何度でも録り直しが出来る」ものです。つまり、提出された音源は「そのバンドの現時点でのMaxの出来のもの」が提出なされた、とみなされます。録り直しで修正が効く範囲 ー歌い出し、ケアレスミスなどーには今まで以上にシビアになったほうがよいだろう、と感じるバンドが多く見受けられました。
 
②曲想が流れるようにしよう

 次に、曲想。バンドとしてどのように曲作りをするのか、という点を考えてきてくれたバンドが多く、とても嬉しく感じました。しかし、その曲想の 伝え方が上手く行っていないバンドさんも、また多くいました。例えば、曲の盛り上がりが40%~60%の中で終わってしまったバンド。また逆に 0%か100%かの二択しか無いバンド。その曲に合ったリズムで歌えていないバンド。
 音楽はドラマです。起承転結がないドラマ。大根役者のドラマ。次回予告と全く違うストーリーが展開されるドラマ。誰に感情移入していいのかわからないドラマ。そのようなドラマを観たい、と思うでしょうか。今一度楽譜という台本とにらめっこをしてみてください。
 

 今回通過がかなわなかったバンドの皆様。通過しなかったバンド一つひとつにバンドの良さは確実に存在します。しかし、それでもなお通過という結果にならなかったのには必ず理由があります。FB等を基に、自分のバンドの弱点はなんなのか。その弱点を克服するにはどのような練習があるだろう か。今一度考えてみてください。そして、一次を通過されたバンドの皆様。二次審査ではステージング等、「実際にお客さんに向けて伝えること」という要素が含まれてきます。「音源審査」と「実施審査」の違いを認識した上で、実施審査で加わってくる要素について今一度バンド内で詰めなおしてきてくれたら、と思います。お疲れ様でした!

【二次審査】

 皆さん二次審査お疲れ様でした!僕も疲れました!← 今回も総評を書かせていただけるということで、僭越ながら二点お話させていただきたいと思います。
 一点目です。音源と実施の決定的な違いとして、「リアルタイムで起こっている出来事」ことがあげられます。言い換えると、MCから曲の歌い出しまで、まさに時間が連続しているのです。ということはつまり、曲を歌い出す際に、お客さんに対し、「ここからが僕達、私達の曲です」と世界観を明示し、引き込んであげなくてはなりません。
 例えば、一次審査の総評に、「曲の頭と曲の終わり」を意識しようという事を書きました。二次における曲頭曲終わりとは、「間」の使い方です。曲が終わった直後の間を大事にしているでしょうか。すぐに"やっとおわったわー"と言わんばかりに緊張を崩していないでしょうか。
 Joyful,Joyful歌う際に、最初に全員で整列するのは何故でしょう。静かに打ち込みが流れるのを待つのは何故でしょう。歌い終わった後の静寂はなんなのでしょう。それらの空気こそが「間」です。その「間」を含め、「曲」なのです。バンドカラーというものを正確に伝えるためには、曲作りだけではなく空気作りが大事です。また、その空気というのは首尾一貫して緊張の糸を張り詰めていなくてはなりません。途中で不安そうな顔をしてしまったり、体力切れになってしまったりすることは絶対にあってはならないことです。不安でも、疲れても堂々と、最後までやりきる必要があります。
 
 二点目です。知識を身につけましょう。オーディションの最後にお話させていただいた際、「リズム理解をもっと深めると良い」というような事をお話させていただきましたが、リズム理解に限らずですが、「知識」をもっと増やしたほうがよいと感じました。和音であれば、和音がどのような感覚で鳴らすとバランスが良いのか、和音はどのような役割を果たしているのか。編成であれば、そもそもベースとはどういう役割なのだろう、パーカスとはどのような役割なのだろう。曲であれば、アカペラの原曲はなんだろう。これはどういったリズム・パターンで作られているのだろう。このリズムパターンの特徴はなんなのだろう。今のネット社会、ググれば出てくることばかりです。
 勿論知識ばかりにとらわれる必要はありません。しかし、音楽に関する知識を学ぶということは、そのまま音楽に対する「語彙」を増やすことと直結します。単語を知らなければ英語が喋れないのと同様、語彙がなければどうすればよりよい音楽を作ればよいのか、わかるものもわかりません。一度、自分たちが歌っている曲を徹底的に分解してみる作業というものに迫られているように感じました。

 結局のところ、僕が総評として書きたいことは一次審査と変わりません。「曲想が流れるようにしよう」ということです。ただ、その曲想を流すためには
・お客さんに伝わるためにはどうしたらよいのか(曲頭曲終わり、ステージング)
・曲想をどう作るか(曲理解、和音理解)
・どのように流れるようにすればよいか(リズム理解)
・不快にさせないためには(和音確認、テンポ確認)
などの様々なアプローチ方法が存在します。
 普段の練習で、和音をはめる、言葉を合わせるなど、一見目立つ部分ばかりに練習を費やしてしまうことが多いと思います。勿論、そのような練習も勿論大事ですし、マストな練習です。しかし、目立つ部分だけではない部分にも目を当てることが今後のアカペラ、ひいては音楽力の向上においてはとても有効なのではないでしょうか。特に、空気感の生成などはちょっと意識するだけですぐに変わる部分です。全部の練習をやるのが理想ですが、限られている時間の中で、自分たちに足りていない知識や技術はなにかを捉え直し、その上で自分たちに最も必要な練習はなにか。というものを考えてみるとより良い演奏になるのではないか、と思います。

 今回は新歓コンオーデという場でしたが、新歓コン、という枠にとらわれず、KOEのバンド全体の向上を願っています。願っていますし、向上させていきます(自戒も込めて)。そのためにも、今回の通過がかなったバンドには新歓コンサートをより魅力的なものにして14の皆を惹きつけられる演奏を期待しますし、通過がかなわなかったバンドも、悔しさなどをバネにして、サマコンなどで先輩のかっこいい姿を魅せてくれることを期待します。

 偉そうな文章になってしまった!僕自身も出来てないことが多いのに!!でも、「音楽」を練習する上での足がかりが少しでも掴んでくれたら幸いです。ここまで読んでくださってありがとうございました。長文で失礼しました。

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